日高昆布について

当店の昆布は日高みついし昆布です。

日高昆布は「出汁によし食べるによし」の万能昆布と言われています。 お出汁は磯の香りを感じ、また、合わせた素材の味を邪魔することなく 引き立ててくれます。食べたときには、肉厚で食感が口当たりよく、 ほどよい塩味がポイントです。特に煮物にしたときには味がよく染みて 食べ応えのある一品に仕上がります。

 

昆布の生産はなんと全体の95%が北海道!

昆布は、生育する環境が昆布のいろいろな区分に影響するため、産地が銘柄となります。昆布の国内生産量はほとんどが北海道から採取されており、全体のほぼ95%に相当します。

昆布は、日本では14属45種あり、全世界では、北半球に26属、南半球に9属生育しています。寒流系の褐藻類である昆布は、日本では宮城県以北の太平洋岸と北海道全域に分布し、とくに北海道が主産地となります。

【北海道の主要昆布の分布図】

ナナクラ昆布がご提供する日高昆布は、本来の学名はみついし昆布です。みついし昆布は主に日高地区で採れるので、日高昆布という名前が定着してそう呼ばれるようになりました。

日高地区のさらに「三石(みついし)」という場所で採取された昆布は「日高みついし昆布」と表記されています。

日高昆布の色は、乾燥前は濃い茶褐色、乾燥されると黒々としています。日高昆布は平らに整形されずに完全天日干しでそのまま出荷されます。
また、養殖のある他の産地に対して、日高地区で採取される日高昆布は全部天然物なのも特徴の一つです。

 

 日高昆布の漁の時期と方法

日高昆布の漁は7月上旬から9月下旬(年によっては10月中旬)の限られた期間で行われます。

しかし、毎日漁があるわけではなく、朝の5時前後に三石地区の昆布組合長が天候を見て判断します。白旗が上がって花火がドーンと鳴ったら操業OKの合図。一斉に磯舟が出発します。
※漁が行われることを「旗が上がる」と呼ばれます。

7月〜9月といっても、年を通して20日前後しか漁ができない年もあります。
※日高地方特有の、船を出さない拾い昆布漁は天候や合図に関係なく漁をすることができます。

昆布は岩場に根を張って伸びています。「かぎ」や「ねじり」と呼ばれる漁具を用いて波の力を利用して、根っこごと一気に引き抜きます。この時、昆布が途中で切れてしまったり傷ついてしまったりすると商品としての価値が下がってしまいますので職人技が光ります。


また、十分に生育された上質な昆布かどうかを船の上から漂う昆布を目で見て判断し、選んで引き抜きます。ここでも長年昆布漁に携わった職人の感が発揮されます。 

 

日高昆布の等級について

日高昆布はその品質(厚さ、幅、長さ、色など)から15段階の等級に格付けされています。

等級が高いほど厚みがあるので、良い出汁が取れ、食べても美味しいと言われています。
贈答用には1等・2等級、ご家庭用には3等級以上がオススメです。
ナナクラ昆布では、お出汁をとるのには根昆布をおすすめしています。

 

浜格差

日高昆布は採取される浜によって格付けされています。これは浜格差と呼ばれます。良い昆布の取れる浜を特上浜とし、上浜、中浜、並浜と4段階に分かれています。また、さらに上浜はAB2段階、中浜はABC3段階に分類されます。

【日高昆布の浜格差表】※一般社団法人日本昆布協会「昆布手帳」より引用

最も浜の状態がよく、生育が良い日高昆布が採取されるのは「井寒台」という地域の日高昆布です。等級だけでなく、産地にも注目して選んでみるのもおすすめです。 

 
日高昆布が出荷されるまで

①早朝に合図と共に沖へ出て、昆布を船へ積めるだけ積んだら陸へ戻ってきます。


②おかまりさんと呼ばれるお手伝いさんたちが総出で昆布を一枚一枚干場へ並べます。


一面に干された日高昆布の景色は圧巻です!

③昆布が乾いて隙間ができたら、その隙間を埋めるようにまた並べ直します。この作業を「砂引き」といい、きちんとした形状を保ったまま乾燥させるのにとても重要な作業となります。
そして完全に乾燥させたら、昆布を紐でまとめて納屋へ保管します。この保管は「庵蒸(あんじょう)」と言われ、これにより昆布独特のあの黒い色が醸し出されます。

寝かせた昆布は、選葉され出荷します。これも職人技で、3尺5寸(105cm)に切りそろえた昆布1枚1枚を見てさわって、光沢、幅、重さ、傷などを見極め、一等から五等までに仕分けます。
その後、20キロを1駄(だ)として等級毎結束して出荷されます。そのとき、紐の色で等級を区別して縛ります。
※その昔、馬を使って昆布を運んだことから1駄・2駄と数えるようになったと言われています。

 

日高昆布出汁の保存方法

日高昆布に限らず、昆布は高温多湿・直射日光を避け、密閉容器に入れて常温で保存してください。
昆布が水に濡れてしまうとカビが生えてしまう場合もありますので、注意してください。

昆布を長期保管していると、表面に白い粉が出てくるときがあります。カビと間違えられやすいですが、それは「マンニット」と呼ばれる昆布のうまみ成分です。ですので、ふき取らずにそのまま使用してください。

いかがでしたか?
昆布は昆布でも、産地によって細かく特徴が分かれています。
それぞれの特徴を知ると、もっと昆布が使いやすくなりますよ!

昆布には体にうれしい効能がいっぱい!


日々の生活に取り入れて、心も体も元気に!

①昆布はアルカリ性食材!
人間の体はもともとアルカリ性です。酸性に偏りがちな体を手助けしてくれます。

②アルギン酸・フコイダン
食物繊維の一種で、昆布特有のぬめりに含まれています。体の不要なものを体外に排出してくれる効果があるのでデトックス効果も期待できます。
中でもフコイダンは肝機能の向上、ガンの進行の抑制に作用するといわれています。

カルシウム
丈夫な骨を造り、骨粗鬆症予防に効果的です。

④アミノ酸・グルタミン酸
昆布のうまみ成分の正体です。毎日のお料理に加えるだけで、素材の味を引き出し格段にお料理がおいしくなります。人間のお腹にはグルタミンセンサーがあり、グルタミン酸を感じるとそれを脳に知らせて満腹中枢を刺激します。食べ過ぎを予防してれます。そのほか、血圧を下げ、高血圧・脳卒中を予防します。

このグルタミン酸は、赤ちゃんがお腹の中にいるときの羊水にもう含まれています。ですので、昆布出汁で離乳食をつくるのがおすすめ。赤ちゃんの慣れ親しんだグルタミン酸で離乳食を始めてください。

⑤ヨード・鉄・ビタミンC
肌に潤いとツヤを与え、シワを予防します。

これらの成分のほかにも、体に良い栄養素がいっぱい詰まった昆布。
ぜひ毎日取り入れたいですね。


毎日飲んで健康に!おすすめ根昆布水



水1リットルに対し、根昆布1枚を一晩水につけておきます。それをコップ1杯毎朝飲むという健康法があります。
熱に弱い成分も含まれているので、昆布の良い成分まるごと取り入れるには水出しがおすすめです。